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2022.10.12

【開催報告】第42回長岡美和子 個展ー永井龍男「散歩者より」

長岡美和子の墨象の世界、今回のテーマは“短編の名手”による傑作エッセイ

書家、日本画家の長岡美和子の個展が、滝不動スタジオM(千葉県船橋市)にて開催された。

長岡美和子(1945- )は、船橋市在住の書家。近年は日本画家としても活躍している。近畿大学理工学部在学中より、前衛書道の先駆者として知られる上田桑鳩とその弟子の酒井葩雪に師事し、酒井との出会いをきっかけとして日本画も始めることとなる。「書道は感情芸術である」という上田の教えを受け継ぎ、感情芸術としての書を追求し続けることで、師と同じく前衛書道の世界で才能を開花させる。もちろんそれは日本画を制作する上での基盤ともなった。活動は日本国内に留まらず海外にも及び、今年4月にフランス・パリで開催された「JAPAN ART FESTIVAL日欧宮殿芸術祭2022」で揮毫を披露するなど各国で高い評価を得ている。

滝不動スタジオMでの個展は長岡氏にとって毎年恒例のイベントとなっており、今年で42回を数えるに至る。会場にはライフワークとなっている一字書シリーズより、永井龍男※のエッセイ集「散歩者」をテーマにした最新作など、約30点が展示された。「散歩者」テーマの作品には、今年の10月に東京芸術劇場で開催された「日本ヨーロッパ3カ国合同交流展2022」において出品され好評を博した「贈」「椋」などもお披露目され、進化を続ける長岡氏の今を発信する貴重な機会になったと言えるだろう。

※永井龍男(ながい たつお、1904年(明治37年)520 – 1990年(平成2年)1012
日本の小説家、随筆家、編集者。
戦前は文藝春秋社の名編集者として活躍した。
戦後は文筆業に専念。その他の代表作に『朝霧』『一個 その他』など。

Information

第42回長岡美和子 個展ー永井龍男「散歩者より」
会期:2022年10月23日(日) – 10月29日(土)
時間:11:00 – 18:00
会場:滝不動スタジオM
〒船橋市大穴南1-1-12
℡047-468-2308

長岡美和子氏

 

墨象「贈」永井龍男「散歩者」より

 

墨象「椋」永井龍男「散歩者」より