2026.01.15
【展覧会レポート】「新春展 HiRo彩霞と仲間達展」
“日本出身のベルギー在住アーティスト” HiRo彩霞とその親しい芸術家たちが集う展覧会が、南青山のサロンドフルールで開催されました。
HiRo彩霞氏は、愛媛県松山市出身の芸術家。祖父に画家の八木彩霞を持ち、若くして単身ベルギーに渡航し、現在も第一線で活躍中です。
八木彩霞と言えば同じく松山市出身の画家であり、洋画家として華々しい活躍をした不世出の巨匠として知られます。代表作に、森永のキャラメルのパッケージや、萬翠荘の謁見の間を飾る壁画など。横浜市で小学校の教員として勤務しながらドイツ人画家リデルスタインに師事し、教員退職後はフランスのパリにて絵画を学びながら藤田嗣治や歌手の藤原義江、柔道家の石黒敬七、蕗谷紅児らと華々しい交友関係を結び、1926年にはサロン入選を果たすなど、その伝説的なエピソードは枚挙にいとまがありません。
そんな傑物の祖父の薫陶を受けて育ったHiRo彩霞氏は、1990年ごろにベルギーへ渡航。1992~2000年にかけてベルギー王立美術学校夜間部マリアンドッグ教授を師事し、ディプロマを取得。以降、ベルギーを中心に多彩な創作活動を展開してきました。その間に、同じくベルギーで美術史家として研鑽を積んでいた森耕治氏(現JEPAA会長)とも親交を深め、遠く異国の地で共に成功を夢見てきた仲だったと言います。
次第に活躍の幅を広げていくと、日本とベルギー双方で作品を発表する機会が増加。近年では森耕治氏を通じて両国の芸術交流を支える活躍を見せています。その一方で祖父の功績を次の世代へ語り継ぐべく、八木彩霞の展覧会を精力的に行うなど、彼女の活躍は止まるところを知りません。

20年以上続く「1月9日」の新春展
今回の展覧会「新春展 HiRo 彩霞と仲間達展」は、多忙な生活を送る中でも過去20年以上にわたって欠かさず開催し続けてきたライフワークの一つです。毎年必ず1月9日にスタートするという一風変わった本展は、東京の中心・表参道で、新年の訪れとともにアートで一年の幕を開ける恒例行事として、多くのファンに親しまれています。
今回のメインモチーフは、午年にちなんで「馬」。その象徴として案内ハガキや看板を飾ったのが、赤い馬「みちこちゃん」の作品です。
夜空のような青の中に浮かぶ淡い赤のシルエットは、HiRo 彩霞氏ならではの独特の淡い色彩感覚を際立たせ、新年の静かな高揚感を丁寧に描き出していました。
また会場にはHiRo彩霞氏の他、芸術家仲間のDany Vandenbroeck氏や神保隆氏の作品も並び、それぞれの作家の視点から描かれた世界が新春のギャラリーを華やかに彩りました。

彩霞4代目襲名
さらに今回は、甥のYagi SAIKA 4G氏が新たに参加。日本生まれで幼少期よりベルギーで育った異色の若手芸術家の存在は、新春の素晴らしい美の共演の中でも一際異彩を放つものとして、来場者の方々の印象にも残ったようです。
またHiRo彩霞氏は、この若く有望な青年に4代目彩霞の名を継がせることを表明。関係者をはじめ多くの人々を驚かせました。自らも祖父から続く彩霞の名前を継承して活躍してきたHiRo彩霞氏にとって、その名を託せる若い世代が登場したことはこの上ない喜びと言えるでしょう。
かくして20年目の「新春展 HiRo 彩霞と仲間達展」に新たな変革の光が差した新春の南青山。長年続ける難しさと新たな変化の訪れのめでたさを知るHiRo彩霞氏にとって、非常に意義深い展覧会となりました。

会場と会期の概要
* 会期:
2026年1月9日(金)〜25日(日) 13時〜19時(最終日は17時まで)
レセプションは9日15時より
* 会場:
ギャラリー「サロン ド フルール」東京・南青山
表参道駅B3出口から徒歩3分
会場風景