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2021.08.06

【2021年版】この夏に行きたい美術展3選

今回はこの夏に行きたい美術展3選と題しまして、編集部がおすすめする美術展を紹介させていただきます。

例年、夏は長期休みもあるため大型の美術展が各所で行われています。本年は新型コロナウイルスの影響で延期や中止を余儀なくされた美術展があるのも事実ですがそれでも注目の美術展が全国で開催されています。今回はその中でも東京近郊に絞って注目の美術展を紹介したいと思います。

 なお現在営業中の美術館の多くが当日券を販売していないので、インターネットの事前予約が必要となっています。実際に足を運ばれる際は、必ず事前にご確認ください。 

GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は? 2021年7月17日(土)- 10月17日(日)東京都現代美術館

「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」 チラシ

まず一つ目に紹介させていただくのは「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」です。

本展は2021年最も注目されている一つの美術展であり、横尾忠則が自ら監修した過去最大の展覧会となっています。

横尾忠則は世界で活躍する画家であり、グラフィックデザイナーです。本展は彼の60年以上にわたる創造の全貌に迫る展覧会であり、グラフィックデザイナーとして出発した初期の作品から最新作までの約600点が会場で展示されます。これは今年1月に愛知県美術館で開催された同展よりも展示数が増えており、また横尾自身の希望で作品も半数は入れ替えが行われています。加えて大規模なインスタレーションは他の場所ではなかなか見ることのできないため、必見の内容と言えるでしょう。

これまで横尾忠則の展覧会は国内では何度も行われ、兵庫には横尾忠則現代美術館があるなど横尾忠則の作品を見られる機会は数多くあります。しかし、今回の展覧会のように彼の全貌に迫るような展覧会というのは滅多にないのではないかと思います。さらに昨今は新型コロナウイルスによって世界は未曾有の危機にさらされています。そのような時代にこれまでの時代を担ってきた芸術家は何を考え、どう行動するのかを目の当たりにできるこれまでにない展覧会であるように感じられます。

2021年最注目の展覧会と言っても過言ではありませんので、なんとしても行っておきたい展覧会です。

 

【展覧会情報(公式HPより抜粋)】
日本を代表するの現代美術家の一人、横尾忠則(1936-)の大規模な個展です。
絵画を中心に初期のグラフィック・ワークを加えた豊富な作品によって、その芸術の全貌を明らかにします。横尾は、すべての人間の魂のふるさと「原郷」から汲み上げた、豊かで奔放なイメージの世界「幻境」を、数多の独創的な絵画に描き出してきました。本展は、そうした横尾の「現況」にも触れる好機となります。

何を描くかではなくて、どう描くかでもなく、如何に生きるかでもなく・・・・・・。
――横尾忠則

 

【基本情報】

会場 東京都現代美術館

会期 2021年7月17日(土)-10月17日(日)

時間 10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)

入館料 一般 2,000 円 / 大学生・専門学校生・65 歳以上 1,300円 / 中高生 800円 /小学生以下無料

公式サイト https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/genkyo-tadanoriyokoo/

花を愛で、月を望む 日本の自然と美」2021年7月22日(木・祝)~8月22日(日)根津美術館

「花を愛で、月を望む 日本の自然と美」 チラシ

次に紹介させていただくのは、7月から東京の根津美術館で開催中の 「花を愛で、月を望む 日本の自然と美」です。

この夏、「日本の美術を見たい」という方に真っ先におすすめしたい展覧会です。

東京の南青山にある根津美術館は日本・東洋の古美術品コレクションの保存・展示のために設立された美術館で、茶道具を中心とした日本・東洋美術のコレクションには定評があります。

その根津美術館で現在開催されているのが「花を愛で、月を望む 日本の自然と美」です。本展はタイトル通り日本美術、工芸品から見られる日本の自然から見る四季に着目した展覧会となってます。根津美術館の貴重な日本・東洋美術コレクションを見らえるだけでなく、古くから日本の美と考えられてきた「美意識」を感じられる展覧会となっています。

展示室は「移ろう自然を詠む」、「花を愛でる」、「秋草の意匠」、「月を望む」、「物語のなかの草花」から構成され、11世紀平安時代の作品から19世紀江戸時代までの作品が会場を彩っています。草花、月というテーマを通して日本美術の中で「美」がいかにして捉えられてきたかがわかる絶好の美術展となっているので、この機会にぜひ足を運んではいかがでしょうか。

 

【展覧会情報(公式HPより抜粋)】

古来、日本の人々は自然に親しみ、四季の経過を敏感にとらえてきました。鳥の声や虫の音にそれぞれの季節の到来を感じ、風に散る桜や色づく紅葉(もみじ)、満ち欠けを繰り返す月にも移ろう美を見出しました。こうした自然の美に対する細やかな感性は、歌人たちが残した多くの和歌や、四季折々の草花や自然の景物がさまざまに造形化された美術作品を通して理解することができます。 この展覧会は、四季の草花や月など自然の景物が表現された絵画や工芸、およびそれらを詠んだ和歌が記された古筆切などで構成しました。日本の季節や自然を身近なものに感じていただければ幸いです。

 

【基本情報】

会場 根津美術館

会期 2021年7月22日(木・祝)~8月22日(日)

時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

入場料 一般1300円 学生1000円 *障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料

公式サイト https://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html

KAWS TOKYO FIRST  2021.7.16(金)~ 10.11(月)森アーツセンターギャラリー

「KAWS TOKYO FIRST」 チラシ

最後に紹介させていただくのは、7月から森アーツセンターギャラリーで開催中のKAWS TOKYO FIRST」です。

本展は、現在最も注目を集めている現代芸術家KAWSの国内初大型展覧会です。両目がバツ印のキャラクターで広く知られる彼の作品は、アートの関心がない方でも一度は見たことあるのではないでしょうか。

KAWSはニューヨークを拠点として、マルチな活躍を見せる画家、彫刻家、トイ作家、グラフィック・ファッションデザイナーです。両目がバツ印のキャラクターからもわかるように彼の作品にはポップアートや漫画、アニメなどの大衆社会に即したカルチャーが色こく反映されています。

そのためKAWSの作品はアートとしての境界線が曖昧で、アートやファッション、デザインを横断するものとなっています。何より彼はアート・トイ(芸術としての人形、おもちゃ)の先駆者と言われ、アート・トイを芸術として認知させることに貢献しました。

本展はそんな彼の20年の軌跡に焦点を当てた日本初の大型展覧会です。展覧会名は2001年に日本で初めて行った彼の個展と同じタイトルを用い、テーマは原点回帰となっています。

会場では初期の代表作から2021年に作られた最新作までの絵画や彫像、プロダクトなど150点以上の作品が展示され、さらにKAWSに影響を与えた彼自身のアートコレクションも展示される内容となっています。

最も注目されるアーティストが何に関心を抱き、どのような問題意識を持って制作を行ってきたかをうかがえる滅多にない美術展です。現代アートの現在地を見るにふさわしいKAWSの個展をお見逃しなく

 

【展覧会情報(公式HPより抜粋)】

ニューヨーク・ブルックリンを拠点とする稀代のアーティスト、KAWS。
絵画、壁画、グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、ストリートアート、巨大彫刻など多岐に亘る作品はアートとデザインの世界を軽やかに駆け回り、アートファンのみならず数多くの人々を魅了し続け、この20年で確固たるキャリアを確立してきました。

KAWSが生み出す作品は、ウィットや愛に溢れ、その洗練された視覚言語は、大胆でありながら遊び心溢れる複雑さを持ちあわせた作品を生み出しています。

KAWSはポップカルチャーのアニメーション作品からインスピレーションを受け、とりわけ、目の箇所に×印を施した色彩豊かなキャラクター作品の数々はKAWSの代名詞となっています。巨大彫刻や、線や色彩を強調したペインティングなど、KAWSによってハイブリッド化されたキャラクターたちは、KAWSが探求しつづける「人間の本質」を体現しています。
また、ユニクロやアベイシングエイプなどの著名ファッションブランドやディオールをはじめとした世界的ブランドとのコラボレーションからもわかるように、その作品は洗練されたユーモアを持ち、幅広い人々に愛されています。

KAWS国内初の大型展覧会となる本展では、150点を超える作品を展示、コマーシャルアートとファインアート双方の領域を網羅するKAWSの視覚的アプローチに迫り、制作初期の作品から最新作までの絵画や彫像、プロダクトなどを通して、そのユニークな芸術制作の軌跡や美術史的意義をたどります。
KAWS自身が保有するプライベートコレクションも展示し、KAWSのスタジオシーンを再現。AR(拡張現実)作品やインタラクティブ体験もお楽しみいただける予定です。
展覧会名「KAWS TOKYO FIRST」は2001年に渋谷パルコで開催された自身日本初の個展と同じタイトルであり、20年を経た今、「原点回帰」という想いが込められています。

 

【基本情報】

会場 森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)

会期 2021.7.16(金)~ 10.11(月)

時間 10:00~20:00

入場料 平日 一般 2,500円/高校・大学生 2,000円/小・中学生 900円

    土日 一般 2,800円/高校・大学生 2,300円/小・中学生 1,200円

    ※全日日時指定制

公式サイト https://www.kaws-tokyo-first.jp/

まとめ

今回は7月にいきたい美術展3選と題しまして

GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?東京都現代美術館

花を愛で、月を望む 日本の自然と美 根津美術館

KAWS TOKYO FIRST  森アーツセンターギャラリー

を紹介させていただきました。今回の情報がこの夏、美術に触れるきっかけになれば幸いです。

 現在ほとんどの美術館は当日券の販売はなく、インターネットの事前予約が必要となっています。実際に足を運ばれる際は事前にご確認いただきますようよろしくお願いいたします。また現在東京では緊急事態宣言下にあるため今回紹介させていただいた美術展は会期、時間などが変更される可能性があります。足を運ばれる際は一度公式HPをご参照いただきますよう宜しくお願い致します。 

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