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2024.01.31

「現代絵画の父マネ」’24/1/28 森耕治会長講演会報告

日仏会館でコロナ明け初の講演会、テーマは「現代絵画の父」

2024128()に東京の日仏会館(渋谷区・恵比寿)にて日欧宮殿芸術協会(JEPAA)森耕治会長の美術講演会が開催されました。

今回のテーマとなったのは19世紀に活躍した画家エドゥアール・マネです。
マネといえば印象派の発足に影響をもたらした人物であったかと思えば、スキャンダラスな絵でたびたび物議を醸したことで知られますが、その実像について紹介されることは多くありません。
本講演会では、そんな謎多き巨匠マネについて、作品と共に人生を振り返りながら人物像や作風について解説がなされました。

ここで改めてマネについてご紹介しましょう。
エドゥアール・マネ(1832-1883)は、フランス・パリ出身の画家で、“印象派の父”とも呼ばれます。実際、クロード・モネやオーギュスト・ルノワールら後の印象派の画家たちに慕われ、作品発表もサロン(官展)にこだわらない自由な姿勢を示すなど、絵画様式以外にも様々な影響をもたらしました。

しかし今回の講演会では人生を大きく4つの時期に分け、その時々の時代背景や画家の視点を考察することで、マネの人となりを浮かび上がらせていました。
中でも彼の反骨精神に影響をもたらした裕福な両親の存在や普仏戦争および内戦の悲惨な光景、また反発しながらも絶えず認められたいと願ったサロン(官展)との微妙な関係、徐々に地位を高めた後に訪れた絵画そのものの表現など、西洋美術の土壌に触れた専門家ならではの切り口と言えるでしょう。

森会長の緻密な分析と考察によって導き出されたマネの講演に30名を超える来場者は注意深く耳を傾けていました。

 なお、日仏会館での開催は、新型コロナウィルスの感染拡大以降で初めてとなり、森会長もいつにも増して熱の籠った講演を披露されていました。早々に予約でいっぱいになった参加者の反応も非常に良く、次回の開催が待ち遠しく思われたのではないでしょうか。

講演会の様子(右奥 森耕治会長)
バルコニー オルセー美術館(フランス・パリ)蔵

 次回講演会予定

『ロココの春 雅なる宴 絵画とチェンバロの饗宴』
日程:2024年3月2日()午後3時開演 2時半開場
出演:チェンバロ演奏 澤 朱里
講演:森耕治(ベルギー王立美術館公認解説者)
会場:白矢アートスペース 小平市美園町1-4-12 (小平駅徒歩2分)

定員:40人(先着順に締め切ります)

参加費4000

 フランスのロココ絵画の講演と、和風の装飾画で飾られた2段鍵盤のフランス式チェンバロによる、春の華麗で雅なロココの饗宴です。小平市の白矢眼科医院の2階にある、真っ白で贅沢な音楽ホールが会場です。ここで18世紀のフランス・ロココ絵画の解説を交えながら、アカリンヌこと澤朱里さんのチェンバロ演奏をお聴きください。

 アカリンヌは幾度も京都フィルハーモニー室内合奏団と共演されています。また過去にベルギー大使館や、東京大学の伊藤国際学術研究センターで開催した私のレクチャー・コンサートでも共演していただきました。

 解説する主な画家はアントワーヌ・ヴァトー、ブーシェ、フラゴナール、モーリス・カンタン・ド・ラ・トゥールです。また演奏していただく曲はラモー、F・クープラン等です。

※要予約

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