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2020.09.15

書家・竹中青琥の世界「琳琅書展&MUGEN展」開催

竹中青琥「一花」(左)「天下春」(右)

書表現を探求する女流書家、2020年の新境地

書家・竹中青琥と、彼女の主催する書道グループ「琳琅会」の最新作を紹介する展覧会「第17回琳琅書展&第21回MUGEN展」が、武蔵野芸能劇場(東京都武蔵野市)で開催された。

竹中青琥は、東京都武蔵野市出身の女流書家。昭和22年江川碧潭に、昭和34年西川青闇に師事。以降、師匠の厳しい教えの下、気鋭の書家として頭角を現す。昭和49年に日展会友に推挙されると、昭和59年には読売書法会理事に就任。以降、女流書家の代表として牽引する存在となる。その書風は自由自在で、これまでも型にはまらない作品を次々に発表してきたが、それでいて伝統の書美も兼ね備えているのも彼女の特徴である。これは師匠からの教えによるところが大きいそうで、自身が男性的で自由な書風を好んでいたことに対し、女性的な書風を身に付けるよう指導を受けたという。

「MUGEN展」では、竹中の最新作10点に加え、実母である髙倉香珠の作品が公開された。隷書や篆書など書体も様々に、普通の書には見られない新たな試みを取り入れられており、枠にとらわれない書の新境地を開拓している。また彼女が手掛けた書籍の題字なども展示されており、改めてその多彩さが実感される。また「琳琅書展」では、竹中の門下生54名による書作品を展示。漢詩や仮名書、一字書など多様な書作品が一堂に会する様は壮観であり、実に見応えがある。

今年は新型コロナウィルス感染症の影響から、展覧会に足を運ぶのも勇気が要ると聞く。しかし本展は初公開の最新作が多数展示され、中にはすでに売約済となった作品も見られた。この機会に足を運んでよかったと、心から思える展覧会であった。

「琳琅書展」展示風景

 

武蔵野芸能劇場

 

竹中青琥先生
過去の書籍掲載や海外芸術家との対談の紹介
全滅憤死(題字:竹中青琥)