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2026.04.13

【行ってみた】台湾・国立故宮博物院:中国美術の至宝を巡る旅

台湾観光のハイライトとして欠かせないのが、世界四大博物館の一つとも称される「国立故宮博物院」です。数千年にわたる中国の歴史を物語る膨大なコレクションは、一度の訪問では見尽くせないほどの圧倒的なスケールを誇ります。
今回は実際に足を運んだ経験を元に、博物院の基本情報から、展示されている貴重な美術品の一部をご紹介します。

故宮博物院とは

国立故宮博物院は、かつて北京の紫禁城(故宮)にあった歴代皇帝のコレクションを中心に、約70万点近くの収蔵品を誇る博物館です。書画、陶磁器、青銅器、玉器など、多岐にわたるジャンルの至宝が収められており、中国文化の精髄を体感できる場所として世界中から観光客が訪れます。

実際に見た美術品の紹介

■ 博物院の象徴:本館外観

  • 名称: 国立故宮博物院 正館

  • 場所: 台北市士林区

  • 見どころ: 見どころ盛りだくさんの故宮博物院ですが、やはり正館は欠かすことができません。1965年に完成した現代建築でありながら、数千年の歴史を持つ収蔵品にふさわしい「中国伝統建築の現代的再生」としての高い美術的価値を持ち、2020年8月31日には台北市政府文化局により文化資産(歴史建築)に認定されました。

■ 北宋を代表する名品

  • 美術品名: 定窯 白磁嬰児枕(はくじえいじしん)

  • 制作年代: 北宋(12世紀)

  • 作者/窯: 定窯

  • 見どころ: 故宮博物院の代表的な収蔵品の一つとなっている白磁嬰児枕は、その名のとおり子どもの姿を表した白磁の枕です。わずか30センチ弱という大きさながら非常に繊細な彫刻が美しいのですが、やはり「これが本当に枕?」とびっくりしてしまいます。

■ 古代の形を模した青磁

  • 美術品名: 南宋 官窯 青磁琮式瓶(せいじそうしきへい)

  • 制作年代: 南宋(12〜13世紀)

  • 作者/窯: 官窯

  • 見どころ: 官窯というのは、宮中の御用品を焼くための窯であり、琮(そう)と呼ばれる玉器を模して作られた瓶ということになります。南宋自体も900年以上前ということになりますから、その時代の人々がさらに昔の美しい器に思いを馳せていたと思うと、改めて中国の歴史の長大さに驚くばかりです。

■ 鮮やかな多色釉

  • 美術品名: 唐三彩 騎馬女俑

  • 制作年代: 唐(8世紀)

  • 特徴: 低温鉛釉を用いた陶器

  • 見どころ: 唐三彩は日本でも歴史の教科書で頻繁に掲載されているので、知っている人も多いと思います。しかし実物を見ると、その色鮮やかさにびっくりします。

    ■ 必見の人気No.1作品

    • 美術品名: 翠玉小白菜(すいぎょくしょうはくさい) 翠玉白菜花挿(すいぎょくはくさいみずさし)

    • 見どころ: 翡翠で作った翠玉白菜は、まさに故宮博物院の顔。言うなればルーブル美術館のモナリザ、大英博物館のロゼッタストーンのような存在です。実は翠玉白菜が3点あることを知っていましたか? 訪問時はそのうちの2点(翠玉小白菜 翠玉白菜花挿)が展示されていました。緻密に翡翠を掘り抜いた彫刻は、ライトに照らされて本当に美しかったです。やはりお客様の数もこの展示の周辺がもっとも多かったように感じました。

    【追加セクション】親子で楽しむデジタル故宮

    ■ 遊びながら学ぶ美術の世界

    • 内容: 地下1階の「兒少藝文中心」では、最新のプロジェクション技術を使って、歴史的な文様や美術品の世界に飛び込むことができます。

    • ポイント: 美術鑑賞に少し疲れたお子さんが、体を動かしてリフレッシュするのに最適なスポットです。

    ■ 宋代の遊びを再現(体験エリア)

    • 名称: 推棗磨(ナツメ回し)の模型

    • 場所: 兒少藝文中心(地下1階)

    • 解説: 宋代の絵画「秋庭戯嬰図」に描かれた玩具を再現したもの。

    まとめ

    国立故宮博物院の見どころは、何と言ってもその歴史的価値の高さとコレクションの質です。「翠玉白菜」や「肉形石」といった超有名な逸品はもちろんのこと、今回紹介した宋代の陶磁器や唐三彩、精巧な工芸品まで、一つ一つの作品が中国美術の極致を示しています。

    また、最近ではデジタル技術を用いた体験型展示(プロジェクションマッピングなど)も充実しており、老若男女問わず楽しめる工夫が凝らされています。台北を訪れる際は、ぜひ時間をかけてこの美の殿堂を堪能してください。

    アクセス方法

    国立故宮博物院は台北市士林区の山裾に位置しています。主なアクセス方法は以下の通りです。

    • MRT+バス: MRT淡水信義線「士林駅」で下車し、1番出口付近のバス停から「紅30」などの故宮行きバスに乗り継ぎます(約15〜20分)。

    • タクシー/配車アプリ: 台北市内中心部からタクシーやUberを利用すると、約20〜30分で直接エントランスまでアクセスでき、非常に便利です。

    ※詳細はこちら→https://www.npm.gov.tw/Articles.aspx?sno=03009216&l=3

    入場の際の手順

    1. チケット購入: 入口のカウンターまたは自動券売機でチケットを購入します。オンラインで事前予約をしておくと、QRコードでスムーズに入場できます。

    2. 荷物の預け入れ: A4サイズより大きいバッグやリュックサックは、展示室内に持ち込むことができません。地下一階や一階にあるロッカー(有料、使用後にコイン返却式)に預ける必要があります。

    3. セキュリティチェック: 入場ゲートで手荷物検査を受ける場合があります。

    4. 鑑賞のルール: 展示室内での写真撮影は可能ですが、フラッシュの使用、自撮り棒の使用、動画撮影は禁止されています。また、展示室内での飲食(水を含む)も制限されているため注意が必要です。

    ※チケット料金はこちらから→https://www.npm.gov.tw/Articles.aspx?sno=02007004&l=3