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2025.10.21

【開催報告】第45回長岡美和子個展 ルソー「学問芸術論」より

長岡美和子の墨象の世界、今回のテーマは“フランス哲学の巨人が芸術を斬った異作”

書家、日本画家の長岡美和子の45回目の個展が、滝不動スタジオM(千葉県船橋市)にて開催されている。
長岡美和子(1945- )は、船橋市在住の書家・日本画家。
近畿大学理工学部在学中より、前衛書道の先駆者として知られる上田桑鳩とその弟子の酒井葩雪に師事し、本格的に書の道を歩み始める。また、酒井との出会いをきっかけとして日本画も始める。
「書道は感情芸術である」という上田の教えを受け継ぎ、感情芸術としての書を追求し続けることで、師と同じく前衛書道の世界で才能を開花させていく。
活動は日本国内に留まらず海外にも及び、2024年8月にフィレンツェ(イタリア)で開催された「FOUND ART & CULTURE JAPAN」では日本代表として式典に参加し、揮毫を披露した。また2025年には4月にブリュッセル(ベルギー)で開催された「日本ベルギー芸術交流展」などに作品が出展され、各国で高い評価を得ている。
滝不動スタジオMでの個展は長岡氏にとって毎年恒例のイベントとなっており、今年で44回を数えるに至る。
会場には一字書シリーズより、ジャン=ジャック・ルソーの「学問芸術論」をテーマにした最新作など多数の書と絵画が展示された。
一字書シリーズは、第25回展から続いており、長岡氏のライフワークの一つとなっている。ジャン=ジャック・ルソーはフランス哲学の巨人。しかし『学問芸術論』は、芸術を単に賞賛するものではなく、むしろ鋭くそのあり方に斬り込んだ作品である。理工学を学び書道の傍ら貪欲な知の渇望から豊富な読書などで多方面に長じる長岡氏の中でどのように共鳴するのか、その素晴らしい化学反応をぜひその目でご覧いただきたい。

ジャン=ジャック・ルソー(Jean-Jacques Rousseau, 1712–1778)
フランスの思想家・文学者。『社会契約論』『エミール』などで人間の自由と自然の回復を説き、啓蒙思想とフランス革命に大きな影響を与えた。

 

展覧会情報

第45回 長岡美和子個展 ルソー「学問芸術論」より
日時:2025年10月19日(日)-10月25日(土)午前11時-午後6時
会場:滝不動スタジオM
〒274-0067 船橋市大穴南1-1-12 Tel 047-468-2308