2026.04.06
【最新現地レポート】地震から2年…能登半島は復興しているのか?
2024年1月1日に発生した『令和6年能登半島地震』。
その凄まじい衝撃は、現在も北陸地方に大きな爪痕を残しています。
さらに同年9月には奥能登で豪雨が発生し、被害を悪化させるなど、住民の方々は大きな苦難を強いられてきました。
弊社では震災後の能登半島の動向を追い、復興がどのように進んでいるか見守ってきました。今回はその最新レポートをお伝えします。

能登半島地震の発生から、今年の4月で2年3ヶ月が経過しました。
2025年11月には「能登半島地震、奥能登豪雨復興記念シンポジウム ノトノコエ 〜今伝えたい能登の声〜」が開催され、石川県の馳浩県知事(当時)から公費解体や廃棄物処理の進捗が報告されるなど、確実な復興への道筋が示されていました。
私たちは今回、2年前に訪問した震源地の輪島市に再び向かいました。
まず訪れたのは、震災の際にニュースでよく取り上げられていた白米千枚田です。震災後も地元住民やボランティアによって丁寧に手入れされた田園風景は、すっかり元に戻ったように見えます。取材時も住民の方々が作業に当たっており、本格的な春の訪れと共に美しい水田棚が広がるでしょう。

続いて訪れたのは、観光スポットとしても有名な輪島の朝市です。ワイプラザ輪島にて2026年1月より再開されています。かつて出店していた地元の人々が集い、名産の工芸品や地物の干物などの海産物を販売する姿からは、少しずつ復興が進んでいることを感じられました。また市内を歩くと、真新しい建物が多く立ち並び、買い物などで出歩く人や、車の往来も、他の街と変わらないように見えました。

海岸線へ向かうと、景色は一変します。
国道249号線沿いは封鎖され、海岸に沿って多くの重機が復旧工事に当たっています。一般住民や観光客の姿はほとんど見当たらず、倒壊した跡地にはほとんど建物もありません。また周辺で人気の観光スポットだった輪島キリコ会館も、震災以来、長らく休業状態が続いています。
続いて私たちは、近隣の仮設住宅の区域を訪れました。すでに2年以上が経過していますが、現在も1.6万人以上の住民が仮設住宅で暮らしています(石川県公式Web)。2024-25年で入居率はピークを過ぎたと見られるものの、思うように地元への帰還は進んでいないのが現実です。石川県では各地で災害公営住宅(地震などで住居を失った被災者を支援する公営の住宅)の建設が進められているものの、その多くは建築途上の段階にあります。
また無事に住居を確保できた被災者も、能登市外や石川県外への移転したまま転出するケースが少なくありません。結果として、能登では被災前から約1割の人口が減少しており、もともと高齢化で危ぶまれていた人口減少が10年前倒しで進んでいる計算です(連合調べ)。
しかし2年前、最初に取材した頃の風景と比較してみると、街並みの整備や歩行者の数など、見違えるような変化があることも事実です。何より話を伺った地元の方々の顔には明らかに明るさを取り戻しており、その表情や話しぶりにも希望が感じられました。

2年の時を経て、ポジティブな復興の兆しを見せつつある能登半島。その一方で、現地に足を運ぶと必ずしも全てが良い方向に向かっているとは言えない現実が見えてきます。
今年11月、金沢21世紀美術館では、日本ヨーロッパ北米3カ国合同展覧会が開催予定です。ここでは被災地への募金を行う予定ですが、開催と共に被災地の今を伝える活動など、今このタイミングで行うべき支援を探っていきたいと思います。

(取材:2026年3月27日/担当・安広洋司)