2023.10.23
【開催報告】第43回長岡美和子個展 樋口一葉「にごりえより」
長岡美和子の墨象の世界、今回のテーマは“近代女流文学の金字塔”
※樋口 一葉(ひぐち いちよう)1872年5月2日(明治5年3月25日)– 1896年(明治29年)11月23日) 第43回長岡美和子 個展−樋口一葉「にごりえより」
長岡美和子(1945- )は、船橋市在住の書家。近年は日本画家としても活躍している。
近畿大学理工学部在学中より、前衛書道の先駆者として知られる上田桑鳩とその弟子の酒井葩雪に師事し、酒井との出会いをきっかけとして日本画も始めることとなる。「書道は感情芸術である」という上田の教えを受け継ぎ、感情芸術としての書を追求し続けることで、師と同じく前衛書道の世界で才能を開花させる。
もちろんそれは日本画を制作する上での基盤ともなった。活動は日本国内に留まらず海外にも及び、今年4月にマルタで開催された「JAPAN ART FESTIVAL日欧宮殿芸術祭2023」や同10月にカナダ・ケベック開催の「日本ケベック友好展2023」などに作品が出展され、各国で高い評価を得ている。
滝不動スタジオMでの個展は長岡氏にとって毎年恒例のイベントとなっており、今年で43回を数えるに至る。
会場には一字書シリーズより、樋口一葉※の傑作小説「にごりえ」をテーマにした最新作など、約30点が展示された。
一字書シリーズは、第25回展から続いており、長岡氏のライフワークの一つとなっている。近代女流作家の第一人者である樋口一葉と現代書道を代表する女性書家の長岡氏、時代を超えて生まれる2人の化学反応が新たな表現の可能性を感じさせる展覧会となっている。
明治時代の文学者。
24年6カ月の生涯に22篇の小説と和歌、随筆のほか日記文学の高峰をなす日記を遺す。
他の代表作に『たけくらべ』『大つごもり』など。Information
会期:2023年10月22日(日) – 10月28日(土)
時間:11:00 – 18:00 会場:滝不動スタジオM