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2021.05.07

いつか行きたい、名画に出会える美術館【アサヒビール大山崎山荘美術館】

今回は「いつか行きたい、名画に出会える美術館」と題しまして、日本屈指の名画を扱う美術館「アサヒビール大山崎山荘美術館」を紹介していきたいと思います。

本記事の内容は本来、前回投稿した「5月に行きたい美術展」として紹介させていただこうと考えておりましたが、緊急事態宣言に伴い圏外の美術展の紹介は控えさせていただきました。

しかしどうしてもお伝えしたいと思えるほど魅力的な展覧会が開催されているため、今回はアサヒビール大山崎山荘美術館の三つの魅力とともに現在開催中の展覧会を紹介させていただければと思います。

それでは解説を始めます。

1,豊かな自然と建築

アサヒビール大山崎山荘美術館外観(wikipediaより引用)

京都の天王山に位置するアサヒビール大山崎山荘美術館は、美術館の名前からもわかるようにアサヒグループ芸術文化財団によって運営されている美術館です。本美術館は、関西の実業家として有名だった加賀正太郎氏が大正から昭和初期にかけて建てた山荘を創建当時の姿に修復し、安藤忠雄氏設計の新棟「地中の宝石箱」などを加え、1996年に開館しました。

アンティークな趣が漂う本館はイギリスのチューダー様式を元に設計したもので、内装も丁寧な修復によって当時の姿を止めていることから、2004年には有形文化遺産に指定されました。アンティークな本館の外観とは対照的に”ガラスとコンクリート”が特徴的な地中館は日本で最も有名な建築家、安藤忠雄氏によって設計された建築物です。景観を損ねないように半分地中に埋まっており、そこではアサヒビール大山崎山荘美術館の顔として知られるモネの『睡蓮』の連作が展示されています。

また館内の至るところから睡蓮の池をはじめとした自然を目にすることができ、芸術作品とともに京都の四季折々の自然も楽しむことができます。

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2,世界屈指の名画を収蔵している

アサヒビール大山崎山荘美術館の収蔵作品で最も有名なのは、クロード・モネの『睡蓮』の連作でしょう。美術館の敷地内に睡蓮の池が作られたことからもわかるように、本美術館の象徴的な作品となっています。

クロード・モネ『睡蓮』1907
クロード・モネ『睡蓮』1914–17
クロード・モネ『睡蓮』1914–17

ほかにもルノワール、モディリアーニ、クレー、ミロといったの西洋の巨匠たちの作品が数多く収蔵されています。これらの作品だけでも見応え十分ですが、実は本美術館のコレクションの中心は、民藝運動で活躍したアーティストたちの作品です。民藝運動とは、1926年に柳宗悦、河井寛次郎、浜田庄司らによって提唱された生活文化運動です。彼らは装飾を施した観賞用の作品に異を唱え、用に則した生活の中にある美しさを工芸品に求めました。これらのコレクションは朝日麦酒株式会社(現アサヒビール株式会社)初代社長を務めた山本爲三郎(ためざぶろう)によって寄贈されました。彼が本美術館に遺した河井寛次郎や濱田庄司、バーナード・リーチなどの民藝コレクションは至宝と呼ぶに相応しい作品群です。

本美術館はこれらの名作が常設として展示されていますが定期的に展示替えが行われています。そのため、どの作品が展示されているかは事前にチェックしておくことをお勧めいたします。

3,企画展も魅力的

アサヒビール大山崎山荘美術館は常設のコレクションだけでなく、企画展も非常に充実しています。

本美術館では年4回の企画展を開催し、企画展にあわせて常設展示の展示替えも行われています。頻繁に変わっているのでいくたびに以前とは異なる作品と出会える場所なのです。また展覧会だけに留まらず芸術学や社会学の分野で活躍する著名人の講演会も本美術館の大きな魅力の一つと言えるでしょう。

これまで企画展ではコレクションにゆかりのある人物を中心にバーナード・リーチやジョアン・ミロ、東山魁夷、サム・フランシスなどの作品展示が開催されてきましたが中でも大注目の展覧会が現在アサヒビール大山崎山荘美術館で開催中です。その展覧会が『開館25周年記念 夢をめぐる ―絵画の名品より-』(2021/7/4(日)まで)です。

『開館25周年記念 夢をめぐる ―絵画の名品より-』 チラシ

【展覧会概要】

アサヒビール大山崎山荘美術館は1996年4月に開館し、今年で25周年を迎えます。開館25周年を記念する本展では、作品をとりまく「夢」に焦点をあて、当館蔵品を厳選し公開します。19世紀後半から20世紀はじめのパリでは、夢を抱いた芸術家が集い、多彩な文化が次々に花開きます。絵画においては、クロード・モネが、光に着目して明るい画面に都市生活を描写しました。パブロ・ピカソは、《肘をつく女》といった「青の時代」の絵画にはじまり、めまぐるしく様式を変化させ、アメデオ・モディリアーニは、対象の奥にひそむ精神性を表出しようと、《少女の肖像》のようにデフォルメされた身体を特徴とする肖像画に到達しました。独自の表現を追いもとめた彼らの夢の精華が、のこされた数々の傑作にあらわれているといえます。
のちにモネは、パリ近郊のジヴェルニーに居を定め、自身の理想を凝縮させた庭園をつくりあげました。今回はこの夢の庭を題材にした、連作《睡蓮》をふくむモネの代表作をご覧いただきます。また、本展では、かつて白い宝石とよばれ珍重された東洋磁器を夢みて、試行錯誤の末に誕生した17–18世紀のデルフト陶器などもあわせてご紹介いたします。名品にかくれた、あこがれ、希望、志などの背景をさぐりながら、さまざまな夢をめぐります。(公式HPより抜粋)

本展は、これまでアサヒビール大山崎山荘美術館が歩んできた25年の軌跡を見ることのできる展覧会です。もちろん本展の中心となっているのはモネの『睡蓮』の連作であり、本館の歴史はモネをはじめとするコレクションとともに歩んできた道のりと言えるでしょう。繰り返しとなりますが、本館のコレクションは必見の名品ばかりです。依然として新型コロナウイルスが猛威を振るっておりますが気軽に京都に行けるようになった際には、ぜひ本展に足を運んでいただければと思います。

【基本情報】

開館25周年記念 夢をめぐる ―絵画の名品より

会場 アサヒビール大山崎山荘美術館

会期 2021.03.20(sat) – 07.04(sun)※05.11までは臨時閉館

時間 10:00~17:00

休館日 毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始、展示替などの臨時休館あり

公式サイト https://www.asahibeer-oyamazaki.com 

 

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