2020.09.04
美術系古書店案内【ボヘミアンズギルド 】神保町
美術好きな方ならよく美術館に行ってると思いますが、実は同じくらい古本屋にも行ってるって方、多いんじゃないでしょか? かく言う私自身、美術館よりも古本屋さんに行った回数の方が多いです。個人的には美術館と並ぶかそれ以上に面白い場所です。
Contents
「古本屋のイメージ」
古本屋って、みなさんどんなイメージがありますか??
多くの方がブックオフもしくはレトロ感満載のよくある古書店。そこまでじゃなくても「自分には馴染みがない」とか、「つまらないよそんなところ」みたいな方もいるんじゃないかなと思います。
でもそういう人にこそ知ってもらいたいのが美術本を中心に扱う古本屋の魅力です。
それにしても本も漫画も雑誌も電子化の時代に古本って…と思う方もいるのかもしれません。
私も本を読むときは基本的に電子版なんですが、やっぱり美術の本に出会うには古本屋はなくてはならない存在です。
今回の動画では、僕がお勧めする古本屋さんから、美術系古書店の楽しみ方を勝手に紹介していきたいと思います。
「美術系古書店の魅力」
まずは古本屋さんの良さをちょっとだけお伝えさせて頂きます。
「普通の書店では絶対に出会えない本に出会えること」。古本屋の魅力はこれに尽きます。
絶版になっている本とか、日本では店頭に並ぶことのなかった海外の作家の本とかがその絶対に出会えない本の類です。
けど古本との出会いって、この欲しい本を探すって流れにはないというか。
気になった本を手にとってその芸術家に一気に引き込まれるみたいな出会いを演出してくれる場所なんです。
ふと手に取ってた本に思いもよらず魅了されることってありませんか?
それって、アートで言えば、作家や芸術との特別な出会った瞬間とよく似ている気がします。まるで今日自分がこの作家を知る運命が用意されていたみたいに。だんだん古本屋に通い慣れると、今日はどんな本、そしてどんな芸術家に出会えるのかな、なんて思いながら気がつくと背表紙を追っているんです。つまり、「自分の求めていた以上の出会いがある」それが古本屋の魅力です。
特に美術系の本って、絶版になってることが多いです。図録なんて、展覧会の資料として制作されるのがほとんどですから、あっという間に無くなってしまう。それに、芸術家とか工芸作家は流行り廃れが激しいのは周知の通りです。なので生前は有名でも、亡くなった後にすっかり忘れられちゃう人も多いんですよね。ボッティチェリに伊藤若冲だって、一度は美術史から消えちゃったくらいですから。
それに、美術系の古本屋さんって、売り物は本だけじゃないんですよ。これがもう一つの魅力です。世に言うお宝と呼ばれるような、貴重な作品や資料がずらっと揃っているお店は珍しくありません。もちろん、お値段もすごいですが、眺めるだけなら無料です。思わぬところでビッグネームの作品とか見つけた時って、美術館とはまた一味違う喜びを味わうことができます。
「ボヘミアンズギルド」
神保町にある「ボヘミアンズギルド」、このおじいさん(看板?置物?)が特徴のお店です。
神保町駅A7出口を出て3分くらいのところにあります。
美術好きには特によく知られている古本屋さんです。
店内は2フロアに分かれていて1階全体は棚に覆われた本の森をイメージしているそうです。
美術関係の画集、図録、評論を中心にデザイン、建築、写真、芸能、思想、哲学など様々なジジャンルの書籍に溢れています。このお店には導入にぴったりな本から専門的な本まで置かれています。まさしく「本の森」といった感じで作家の本はアルファベット順、五十音順、ジャンル別に分けられていてみたこともないような本が数多く陳列されています。とにかく様々な美術のジャンルの本に溢れています !!もうこれほど一度にいろんな芸術の足跡を知れる場所って他にはないんじゃないかなと思えるような場所です。
イメージとしてその足跡を追って森に入っていくといつの間にか目の前には美術の世界に広がっているという感じです。手にとった本が絶対に見たこともないところへ連れて行ってくれます。
続いて二階ですが、実はボヘミアンズギルドさん、いろんな作家の作品を展示するギャラリーになっています。先日(2020/7月時点)足を運んだときはギャラリーが改装?されていて、すごくスタイリッシュな展示スペースになっていました!!古書が十何万円で売られていたり、抽象表現主義の作家マザーウェルやバウハウスの最後の巨匠マックス・ビルの版画などの作品も展示されているんですね。もちろん、実際に見せていただくこともできます。本当に美術館って言ってもいいくらいの展示になっています。別に古本に興味がない人でも、楽しむことができる空間です。
ボヘミアンズギルドという古本屋さんは、美術書籍の品揃えはもちろん、貴重な芸術と至近距離で気軽に触れ合えるすごいお店なんです。美術館やギャラリーとはまた違った形でアートに知ることができるので、本を通じていつもより深く芸術に触れてみるのもありなのではないでしょうか。