2021.01.08
【美術館紹介】”美の殿堂” 東京都美術館
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”美の殿堂” 東京都美術館
今回は美術館特集です。第一弾としてぜひお伝えさせて頂きたい美術館が「東京都美術館」です。
上野に位置し”都美”の愛称で親しまれている東京都美術館。これまで国内外の名品をはじめ多彩な企画展や美術団体による公募展など様々な展覧会を行っており、多くの方が一度は訪れたことのある美術館だと思います。東京都美術館は1926年に日本初の公立美術館として開館し、美術館としての文化活動を牽引してきたことから”美の殿堂”とも呼ばれています。95年にも及ぶ活動の中で展覧会は1万3千回以上行われ、通算来場者数は日本の人口である1億3千万人を超えます。ひいては「芸術の秋」の由来となったなど、美の殿堂に相応しい逸話が生まれた美術館です。
煉瓦とガラスを基調として建てられた美術館は日本を代表する建築家・前川國男によって手がけらたこととしても有名です。地下3階、地上2階からなる美術館には数多くの展示室を設けられており、館内では1年で約260もの展覧会が行われています。2012年の改修工事以降バリアフリー化がなされ、より多くの人にとって開かれた芸術の場となったことは記憶に新しいことでしょう。
東京都美術館は「アートの入り口」をコンセプトに据え、アートコミュニティの形成を目指しています。そのため日本と世界の名品に出会えるのはもちろん、独自の視点を持つ企画展やワークショップを通して美術教育や普及に対する取り組みまで見られる美術館です。かねてよりアートコミュニティの形成に力を入れていることで知られ、現在多くの美術館で行われているワークショップの原型は東京都美術館によって生まれたと言われています。
東京都美術館は、95年という歴史を持ちながらも、従来の展示方法に固執せず、さまざまな角度から展示が行なわれ、時代とともに絶えず変化してきました。近年の興味深い取り組みとして「アートとライフ展」、「現代作家展」、「アートとケア展」といった企画が挙げられます。この企画展は学芸員自らが考案したことでも知られ、「アートとライフ展」では生き方、生命、生活とアートとの深い関係に迫り、「現代作家展」では日本の現存の中堅作家に注目した展覧会を開催し、「アートとケア展」では新しい価値観との出会い、学びをコンセプトに多彩な作り手を紹介しています。年齢や障害といった芸術の中にあるいくつかの垣根を超えていくような独自の試みは、まさに「アートの入り口」となることを掲げた美術館にこそできることではないかと思います。
現在、新型コロナウイルス感染拡大によって、美術館側は新たな「芸術の見せ方」の必要に迫られています。東京都美術館でもデジタルタブレットやウェブメディアなどのIT技術の導入が見られ、時代に適したアート体験の取り組みが既に行われています。また、2026年は東京都美術館が開館して100周年の節目を迎えます。それを見越した動きがすでに始まっており、これから東京都美術館がどのようなアートの入り口を作り出していくのか目が離せません。
美術館の詳細
【住所】 |
〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36 |
【開館時間】 |
9:30~17:30 |
【休館日】 |
毎月第1・3月曜日(祝休日の場合は開館し、翌日休館) ※特別展・企画展は毎週月曜日。(祝休日の場合は開室し、翌日休室) ※年末年始のほか、整備休館など臨時に休館及び開館することがあります。 |
【料金】 |
入館は無料。観覧料は展覧会により異なる |
【アクセス】 |
・JR「上野駅」公園口より徒歩7分 ・京成電鉄「上野駅」より徒歩10分 ・東京メトロ銀座線、日比谷線「上野駅」7番出口より徒歩10分 ・駐車場はございません |
【公式サイト】 |
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