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2021.04.23

至宝のコレクションをオンラインで公開した「フランスの人気美術館」7選

先月、ルーヴル美術館がコレクションのデータベースを公開したというニュースが話題となりました。現在ルーヴルのサイトにアクセスすれば、50万点近い作品をスマホやパソコンで見ることができます。新型コロナウイルスの感染によって気軽に海外に行けなくなってしまった現在、アートに触れたくても触れられないと感じる方にとって、このニュースは朗報となったのではないでしょうか。
実はルーヴル美術館以外にも、世界中の名だたる美術館がコレクションをウェブ上で公開していることをご存知でしょうか。
今回の記事では、「至宝のコレクションをオンラインで公開した「フランスの人気美術館」7選」をご紹介していきたいと思います。

1,ルーヴル美術館

ルーヴル美術館外観

【コレクションリンク】

https://collections.louvre.fr/en/
↑(クリックすると公式サイトに移ります)

【特徴】
ルーヴル美術館は周知の通り「芸術の都 パリ」を象徴する美術館であり、フランスの絶対的な美の殿堂です。
知名度、入場者数、美術館の規模いずれも世界一を誇り、同美術館の顔であるレオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』は、世界で最も有名な作品として知られています。
館内は8部門で構成され、3万5千点ほどの作品が常時展示されています。
実はルーブル美術館の50万点近くの収蔵品のうち、そのほとんどが古代から19世紀までに制作されています。というのも、フランスの国営美術館は、館ごとに収蔵作品の時代区分がはっきりと分かれており、19世紀をオルセー美術館が、20世紀以降をポンピドゥーセンターが担当しています。つまり、それら3館をすべて回ることで、初めてフランス全時代の美術品を見ることができるというわけです。これも、膨大な数の美術品および資料を管理するフランスならではの事情と言えるでしょう。
したがって、ルーヴル美術館に展示されている作品はアカデミックな作品が多く、『ミロのヴィーナス』、ドラクロワの『民衆を率いる自由の女神』といった歴史的価値の高い作品が数多く展示されています。
今回公開されたデータベースでは、ルーヴル美術館が収蔵している50万点近い作品をパソコンまたはスマホから見ることが可能です。足を運んでも見ることのできない作品も多数公開されているので、歴史遺産をインターネットと通して覗いてみてはいかがでしょうか。

【美術館情報】
ルーブル美術館(Musée du Louvre)
住所 Place du Carrousel, 75001 Paris, France
公式HP http://www.louvre.fr/jp

2,オルセー美術館

オルセー美術館外観

【コレクションリンク】

https://m.musee-orsay.fr/en/works.html
↑(クリックすると公式サイトに移ります)

【特徴】
オルセー美術館はパリに位置する19世紀美術専門の国立美術館です。中でも印象派の作品を多数収蔵しており、日本人からも人気の高い美術館として知られます。
これは、同美術館が原則として1848年から1914年までの作品を展示収集することを定められているためであり、ミレーの『落ち穂拾い』、マネの『オランピア』『草上の昼食』、モネの『日傘の女』、ゴッホの『自画像』などは、いずれも同美術館のコレクションです。一方で印象派の影に隠れた同時代のアカデミックな作品も多数展示されています。オルセー美術館の収蔵作品はわずか70年間に限定されていますが、常設だけで約4000点の閲覧可能であり、絵画や彫刻をはじめ、写真やグラフィック・アート、工芸品など19世紀の幅広い作品に触れることができます
また、上述させていただいたオルセー美術館のHPサイトは日本語にも対応しており、解説が記載されている作品は日本語の翻訳で読むことができます。有名な作品が列挙されている見やすいサイトなので、好みの作品をクリックするだけでも十分楽しめることができると思います。

【美術館情報】
オルセー美術館(Musée d’Orsay)
住所 62 rue de Lille 75343 Paris cedex 07 France
公式HP http://www.musee-orsay.fr

3,ジョルジュ・ポンピドゥー国立芸術文化センター

ポンピドゥーセンター外観

【コレクションリンク】

https://www.centrepompidou.fr/fr/recherche/oeuvres?secteurCollection%5B%5D=Arts%20Plastiques&display=Grid
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【特徴】
ジョルジュ・ポンピドゥー国立芸術文化センター(通称:ポンピドゥー・センター)は20世紀以降の作品が数多く展示されている国立の近代美術館です。カンディンスキー、マティス、ピカソ、シャガール、ミロ、ダリ、モンドリアン、ブランクーシなど、近現代美術の収蔵品数は欧州最大であり、その数は10万点以上にも上ります。これは世界的に見ても、ニューヨーク近代美術館 (MoMA) に次ぐ規模です
本館の特徴は、その圧倒的な数の近現代美術に触れられる点であり、中でもカンディンスキーの膨大なコレクションや、ブランクーシの特別展示室は必見と言えるでしょう。芸術は近代から現代にかけて、目まぐるしく変化を遂げてきました。本館に足を運べば、芸術にとっての激動の時代を目の当たりにすることができるでしょう。
公開されているデータベースでは、一つの作品をクリックすると関連の作品が出てくるように設計されています。そのため気になった作品の周辺分野まで興味を広げる見方ができるので、幅広く楽しめるコレクションデータベースだと思います。

【美術館情報】
ジョルジュ・ポンピドゥー国立芸術文化センター(Centre Pompidou)
住所 Place Georges Pompidou, 75004 Paris, France
公式HP https://www.centrepompidou.fr

4,オランジュリー美術館

オランジュリー美術館外観

【コレクションリンク】

https://www.musee-orangerie.fr/fr/article/lensemble-de-lorangerie
↑(クリックすると公式サイトに移ります)

【特徴】
オランジュリー美術館は印象派からポスト印象派の作品を多数有する美術館です。モネの『睡蓮』の連作が展示されている美術館として広くられています。オランジュリー美術館はオルセー美術館と関連する美術館であり、場所もオルセー美術館とは徒歩圏内にあるため、オルセー美術館の作品と合わせて膨大な数の印象派の作品を見ることができます。
しかし、現在は新型コロナウイルス感染によって海外に行くことは難しくなってしまいました。そんな状況の中でも、オランジュリー美術館はモネの作品を多くの人に届けようとデータを公開しています。しかもそのデータは360°カメラで見ることができ、モネの『睡蓮』の連作が展示されている特別室をデバイス上で自由に鑑賞可能です。バーチャルの世界ではありますが、『睡蓮』の連作を独り占めして見ているような感覚を味わうことができるので、公式HPから一度アクセスしてみることを強くお勧めいたします。

【美術館情報】
オランジュリー美術館(Musée de l’Orangerie)
住所 Jardin des Tuileries Place de la Concorde
公式HP http://www.musee-orangerie.fr

5,パリ市立近代美術館

パリ市立近代美術館内 「ラウル・デュフィルーム」

【コレクションリンク】

https://www.mam.paris.fr/fr/collections-en-ligne#/artworks?filters=&page=3&layout=grid&sort=random
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【特徴】
パリ市立近代美術館は、シャンゼリゼ通りとエッフェル塔の間に位置する、市営の美術館です。コレクションは1920代から現代までの作家の作品が中心であり、15000点以上の作品が収蔵されています。館内では常設展と企画展に分かれており、常設だけであれば無料で鑑賞することができます。常設は無料であるにも関わらずピカソ、モディリアーニ、シャガール、ラウル・デュフィなど、そうそうたるアーティストの作品が展示されています。その他にもマティスをはじめとしたフォービスムを中心に、ブラック、ヴラミンク、ルーオーなどの作品が収蔵されています。
本館の見どころは上記画像の「デュフィルーム」で間違いないでしょう。ラウル・デュフィは、フォービスムに分類される20世紀前半に活躍したパリの代表的なアーティストで、パリ市立近代美術館の顔となっているのが「デュフィルーム」です。この部屋は横60m、縦10mの巨大な壁画が展示されている空間となります。コロナが収まりパリに行けるようになった暁はこの幻想的な雰囲気を是非とも味わっていただきたいです。

【美術館情報】
パリ市立近代美術館(Musée d’art moderne de la Ville de Paris
住所 11 Ave. du President Wilson 75116 Paris
公式HP http://www.mam.paris.fr/

6,パリ装飾芸術美術館

パリ装飾芸術美術館外観

【コレクションリンク】

https://madparis.fr/francais/musees/musee-des-arts-decoratifs/collections/departements/
↑(クリックすると公式サイトに移ります)

【特徴】
パリ装飾芸術美術館(通称:MAD)はルーブル宮殿内、チュイルリー庭園とパレロワイヤル広場の間に位置し、工芸品、装飾品を中心に収蔵している美術館です。ジャンルは中世から現在までの家具、ガラス、セラミック、金細工職人の作品、ジュエリー、デザイン、テキスタイル、ファッション、グラフィック、広告と多岐に及びます。
MADの最大の見どころは(フランス中心の)中世の職人の工芸品から今をときめくトップデザイナーの作品をみることができるところにあります。
豪華絢爛なサロン文化を築いた生活の一部を形成した装飾品や、クリスチャン・ディオールといったフランスが生んだ世界的ファッションデザイナーのドレス、現在世界で活躍するフランスの工業デザイナー達の作品は必見の内容となっています。
公式HPから閲覧できるデータベースはジャンルが細分化されているため、非常に見やすくなっています。時代区分を理解しながらさまざまなコレクションを見ることができるので、時代によって変化した生活を遡って鑑賞することができます。

【美術館情報】
パリ装飾芸術美術館(Musée des Arts Décoratifs)
住所 107 rue de Rivoli, 75001 Paris
公式HP http://www.lesartsdecoratifs.fr/

7,ピカソ美術館

ピカソ美術館外観

【コレクションリンク】

https://www.museepicassoparis.fr/en/collection-en-ligne#/artworks?filters=&page=4&layout=grid&sort=random
↑(クリックすると公式サイトに移ります)

【特徴】
ピカソ美術館は文字通りパブロ・ピカソの美術館であり、国によって運営されている美術館です。コレクションは、ピカソの遺族が相続した作品を中心に、絵画、彫刻、デッサン、陶器、版画や直筆の書簡など含めて約5,000点が収蔵されています。ピカソの名を冠した美術館ではありますが、ピカソの作品だけが展示されているわけでなく、ピカソ自身が収集したブラック、セザンヌ、ドガ、マティスなどの作品も収蔵されています。作品は年代順に展示されていて、ピカソの時代によって変化した画風を見ることができます。
公開されているデータベースでは、ピカソ美術館のコレクション5,000点以上に加えて全世界で収蔵されている20万点以上のアーカイブが閲覧可能になっています。データベースだけでピカソの全貌を知ることができてしまいます。気になる方はぜひ公式HPのリンクからコレクションをご覧ください。

【美術館情報】
ピカソ美術館(musee picasso)
住所 5 rue de Thorigny 75003 Paris
電話番号 0185-560-036
公式HP http://www.museepicassoparis.fr

 

 

今回はコロナ禍でも美術を楽しめる「フランスの人気美術館7選」を紹介させていただきました。コロナ禍でアートを楽しむ方法がオンラインには数多く存在しているので、ご自身でも検索して見てみるといつもとは違うアートの体験ができるのではないかと思います。しかし、芸術を見る上で最も感動を感じられるのは「実物に触れた時」と感じる方が大半だと思います。なので、本日の記事がいつか実物を見に行く時の助けになれば幸いです。

 

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