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2021.11.05

名画に出会える美術館 西洋絵画編『ひろしま美術館』

ひろしま美術館外観(出典:WikiCommons)

今回は「名画に出会える美術館」と題しまして、日本屈指の名画を扱う美術館「ひろしま美術館」を紹介していきたいと思います。

「ひろしま美術館」といえば西洋名画を収蔵する代表的な美術館として非常に人気の美術館で、中でも印象派たちの作品は本館の目玉となっています。今回はそんなひろしま美術館の見所を二つの視点から解説をしていきたいと思います。

それでは早速解説を始めます。

1,名作中の名作を揃えている美術館

 

ヴィンセント・ファン・ゴッホ、エドゥワール・マネ、オーギュスト・ルノワール、ポール・セザンヌ、パブロ・ピカソ、アンリ・マティス…

彼らは世界で最も知られた芸術家たちであり、誰もが一度は名前を耳にしたことがあるのではないかと思います。この芸術家たちの作品を一つの館内に収蔵している美術館が、今回ご紹介する「ひろしま美術館」です。

ひろしま美術館は、1978年に広島銀行が創業100年の記念事業として地域のため、そして後世の平和のために設立した美術館です。所蔵作品数は約300点とそれほど多くはありませんが西洋の名画に出会える美術館として広く知られています。

最大の特徴は「いつ訪れても、同じ場所で同じ作品が見られる」という点です。多くの美術館では常設展であっても定期的に変更され、時期によっては目当ての作品が見れないということも珍しくありません。しかしひろしま美術館では、いつ足を運んでも気に入った作品をみる事ができます。さらに収集方針も「明るく、わかりやすい美術館」の下にコレクションが収集されており、日本でも非常に人気の高い芸術家の作品を数多く揃えています。その軸となっているのが、同館の誇るフランス絵画コレクションです。ドラクロアなどのロマン派からエコール・ド・パリまで、フランス近代美術150年の変遷をめぐることができます。

代表的な収蔵作品として、ドラクロワ『墓地のアラブ人』、エドガー・ドガ『浴槽の女』『馬上の散策』、ヴィンセント・ファン・ゴッホ『ドービニーの庭』、エドゥワール・マネ『バラ色の靴』、ルノワール『パリスの審判』、クロード・モネ『セーヌ河の朝』、ポール・セザンヌ『坐る農夫』、ジョルジュ・スーラ『村へ』、ピカソ『酒場の二人の女』、アンリ・マティス『ラ・フランス』が挙げられます。

これらの作品がフランスに行かずとも見られてしまうのがひろしま美術館なのです。しかも本美術館には名画に必須とも言える混雑がなく、時期によっては名画を独り占めすることも可能です。都心では味わえない時間を体感するためにも、人生で一度は訪れたい美術館と言えるでしょう。

 

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ヴィンセント・ファン・ゴッホ『ドービニーの庭』1890

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クロード・モネ『セーヌ河の朝』1897

2,個性豊かな企画展

上記では常設展の素晴らしいさをお伝えさせていただきましたが、もちろんひろしま美術館の魅了はそれだけにとどまりません。むしろ年4回程度開かれている多彩な企画展も、非常に魅力的なポイントとなっています。これまでひろしま美術館では国内外の様々な作品を紹介し、古典の美術から有名なキャラクターに至るまで多岐にわたる企画展が開催されてきました。それらは時代や国籍、ジャンルにとらわれず非常にユニークなものばかりです。

そして今月からは、日本全国で話題となっている「バンクシー展 天才か反逆者か」が、1ヶ月間のロングランで開催される予定となっています。

 

【展覧会概要】

2018年からモスクワ、マドリード、香港、ニューヨーク、LA、日本各都市などを巡回し、300万人以上の人々を熱狂させた展覧会が日本にやってくる!
イギリスを拠点に活動し、世界で最も注目されているアーティストの一人、バンクシーの70点以上の作品が初上陸。いったい、彼はアーティストなのかビジネスマンなのか、天才なのかそれとも単なる反逆者なのか。是非ともその目でお確かめください。

(公式HPより一部抜粋)

本展は、「アートテロリスト」と呼ばれるイギリスの匿名芸術家バンクシーの作品、活動の是非を問う作品展です。バンクシーの作品は現代に対しての強烈なメッセージが込められ、政治や人種の正義を問うような作品を数多く残している一方で、彼の作品は法的には認められていない違法な場所に描かれていることも少なくありません。そのためバンクシーの作品は常に様々な議論を生んできました。それを天才と捉えるのか反逆と捉えるのか、それは作品を見た方の意見に委ねられます。その是非を問いにひろしま美術館に足を運ばれることを強くお勧めいたします。

【基本情報】

バンクシ―展 天才か反逆者か 広島エディション

会場 ひろしま美術館

会期 2021年11月6日(土)~ 12月5日(日) 会期中無休

時間 9:00~17:00(金・土は~19:00)※入館は閉館の30分前まで

公式サイト https://banksyexhibition.jp/

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