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2024.12.18

【ピカソといえばパリ‼︎】パリを訪れたら絶対行きたい美術館 ピカソ美術館

パリで体感するピカソの真髄

 

ピカソ美術館(Musée Picasso)は、ピカソ芸術のすべてを堪能できる特別な場所です。その圧倒的なコレクションは、ピカソ愛好家にとってまさに「聖地」と呼ぶにふさわしいもの。初期の素描からキュビスム、新古典主義、そして晩年の実験的な作品に至るまで、彼の多彩な芸術の軌跡を一堂に楽しむことができます。世界中にはピカソの作品が数多く収められた美術館が多くありますが、パリのピカソ美術館は中でも類を見ない充実度を誇ります。漠然とピカソは「美術史上の偉人」と思っている方もこの場所を訪れれば「ピカソとは何者だったのか」という問いの答えがきっと見つかるでしょう。

なぜピカソ美術館? - スペインやニューヨークにはない魅力

ピカソとパリの深い結びつき

海辺を走る二人の女 1922

ピカソの人生を語る上で、パリは欠かせない舞台です。19歳のとき、1900年のパリ万博をきっかけに初めてこの街を訪れたピカソは、そのエネルギーと芸術文化の中心地としての魅力に圧倒されました。貧困と情熱が交錯するモンマルトル地区にある「洗濯船」と呼ばれる共同アトリエに居を構え、ここで彼は「青の時代」という憂いと詩情に満ちたスタイルを確立します。その後、パリでの新たな出会いや刺激を受け、「バラの時代」の明るく軽やかな作風へと変化。さらに、ジョルジュ・ブラックとの出会いからキュビスムという革新的な芸術運動を生み出しました。

ピカソ美術館は、こうしたパリでのピカソの軌跡を間近で感じることができる特別な場所です。単なる展示空間ではなく、ピカソがパリで培った感性や、彼の芸術がどのようにこの街と共鳴し合ったかを実感できる美術館ともいえるでしょう。スペインやニューヨークの美術館では得られない、「ピカソとパリ」という視点で彼の芸術を鑑賞できるのは、この美術館ならではの魅力です。

ピカソ美術館、独自の魅力 - ピカソ芸術の全貌を網羅する唯一の場所

 

ニューヨーク近代美術館(MoMA)やスペインのバルセロナ、マラガにあるピカソ美術館も素晴らしいですが、パリのピカソ美術館ほどの包括的なコレクションを持つ場所は他にありません。その理由は、ピカソの死後、彼の家族が相続税の代わりとしてフランス政府に寄贈した膨大な作品群にあります。ピカソ美術館の所蔵品は5,000点を超え、その中には油絵、彫刻、版画、素描など多岐にわたる作品が含まれています。これにより、ピカソの生涯と創作活動を時系列でたどることを可能にしています。
初期の素描から「青の時代」、「バラの時代」、「キュビスム」など彼の多彩なスタイルを一度に体感できるのが、この美術館の圧倒的な魅力の一つ。
また、ピカソの代表作『アヴィニョンの娘たち』の創作過程を示すスケッチや試作が展示されており、これが美術史のターニングポイントとなった革新的な傑作の誕生過程を理解することができます。
さらに、ピカソ自身が収集したセザンヌ、マティス、ドランといった巨匠たちの作品も展示されており、彼がどのように他のアーティストから影響を受け、彼らと対話を重ねたかが感じられます。このような多面的なピカソの姿を体感できる美術館は世界中でもここだけです。

加えて、ピカソ美術館では、常設展示に加えて定期的に企画展示が行われています。これらの展示は、ピカソの多面的な芸術性を一層掘り下げ、彼と親交の深かったアーティストや現代の巨匠たちとのつながりを探るものをテーマにした企画展が数多く行われています。また、現代アートの先端を行くアーティストたちの展示も行われることがあり、ピカソの革新性が現在のアートシーンにどのように息づいているかを感じることができます。

閑静なマレ地区に佇む美の宝庫

ピカソ美術館は、パリで最も魅力的な歴史地区の一つであるマレ地区に位置しています。マレ地区は中世からルネサンス期にかけて発展し、当時から残る狭い石畳の道や美しい広場、そして優雅な建築に彩られたエリアです。その中心にある「オテル・サレ(Hôtel Salé)」は、17世紀に塩税徴収官の邸宅として建設されたバロック建築の名作で、その豪奢な装飾と風格が美術館にふさわしい舞台を提供しています。

館内では、精巧な彫刻や華麗な天井画、歴史を感じさせる石造りの階段が訪れる人々を出迎え、建物自体がまるで一つの芸術作品のようです。ピカソの斬新な作品と、この歴史的建造物が生み出すコントラストは、鑑賞者に他では味わえない特別な感覚を与えてくれます。

また、マレ地区そのものも美術館の魅力を引き立てています。オシャレなカフェやギャラリーが点在する静かな街並みを歩くだけでも、この地区の持つ独特の雰囲気を堪能できます。特に朝や夕暮れ時に美術館を訪れると、柔らかな光が建物を美しく照らし出し、心に残るひとときを演出してくれます。

ピカソ美術館での芸術体験は、このマレ地区の歴史や文化と調和することでさらに深みを増します。建物と街、そして展示が一体となり、訪れる人々に芸術の枠を超えた贅沢な時間を提供する、美と感動の宝庫と言えるでしょう。

基本情報

周辺情報
カナヴェ・サン・マルタン教会まで徒歩10分、カルナヴァレ博物館まで徒歩5分

最寄り駅
⑧Saint-Sébastien – Froissart(サン=セバスチャン=フロワサール)駅から徒歩5分

値段
大人:14€

営業時間
10:30~18:00(土日祝は9:30〜から)

定休日
月曜日

公式HP
https://www.museepicassoparis.fr

(内容が変更されている可能性があります。最新情報は公式HP内でご確認ください。)

 

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